BACK TOP NEXT

恋心以心伝心  −  0 ハジマリのキス

「……君、元気でいてね。……のこと、忘れちゃ嫌だよ?」
「わかってる! おれ、絶対大きくなって、……の事迎えに来て、
……と結婚するんだ! 約束だもん!」
「うん。……も……君の事忘れない。ずっと、大好きだもん」
「おれもだいすき! あー、車来ちゃった。じゃーな!
絶対に、必ず迎えに来て……そして──」
 ──ガバッ

「え……ゆ、め?」

 どこからか光が差し込んできた。光を辿ってみると、カーテンのほんの隙間から光が差し込み、かすかにだが小鳥のさえずりまでもが聞こえてきた。

「そっか、もう朝か。ちょっと今日は目覚めが悪いかな」

 そう呟きながら、ベッドから下り、布団を整えて、全身鏡の横に掛けてある制服を手に取り、パジャマから咲花高校専用の制服へと着替えた。
 ふと思い、時計を確認してみる。時刻は朝の6時5分。
 学校は徒歩で30分な為、いつも6時30分には起きていたのだが、今日はあの夢のおかげでかなり早く起きれた。
 いつもは寝坊で、パンをくわえながら学校へ走っていた。
 ──でも今日は、ゆっくりご飯が食べれるな
 そう、心の中で呟いて、ストレートの黒髪を慣れた手つきで、耳の上辺りで二つに結って、少し、ほんの少しだけくるりとさせてすっぴんとそんなに変わりはないが、少しメイクをして、朝食が並んでいるはずの1階まで降りる。


「おは……って、そりゃあまだ誰もいないか」
  おはよう、と言いかけてそう呟いた。
 家計のやりくりがまったくできない母親が買ったふわふわのソファに座り、ちょうど目の前のテーブルに置いてあったリモコンを手に取って、テレビをつけ、チャンネルを回す。
 適当な所で止めて、すぐ隣にあるキッチンまで行き、冷蔵庫の中を確認する。
 冷蔵庫には、高級肉、ふわふわプリン3セットが2つ、
バターに、高級なメロンに卵セットが3つ、そして生クリームの箱が2つ。
 篠原家の母親、姉の唯はお菓子がとても大好きで、いつも家で作っている。
 そのため、毎日学校から帰ってきた後長男の友哉と一緒にすぐに食べさせられ、そのあとすぐに夕飯になり、いつも少しだけ残してしまう。

 まあでも、お姉ちゃんたちのお菓子はおいしいからいいかなあなんて、思っちゃってたりする。

「しっかし、吃驚するほど何もないなあ……」

 そう言って40万だとか言っていた重い冷蔵庫をバタンと閉めて、ソファに再び座るとちょうど占いのコーナが始まっていた。
 篠原家の次女、碧──あたしは高校1年の10月12日生まれの天秤座だ。

 なんだかんだで自己中らしい天秤座だが、あたしは自己中というか、
お人よし、という言葉のほうが似合っているだろう。
 
≪今日の天秤座は、3位! 恋愛運はバッチリ!運命の人と出会えるかも! 友情運は結構いいかも?新しい友達ができそうだよ。 勉強運はまぁまぁ。集中できないようなことがおきちゃうかも?
ラッキーアイテムはツインテール! 今日は高めのツインテールで一日を始めちゃおう☆≫

 ラッキーアイテムはツインテール、らしいがあたしはいつもこの髪型。
 ラッキーアイテムなのか違うのかよくわからないが、とりあえず今日はずっとこの髪型で行こうかな。だけど、それより気になることがある。

「運命の、人……? むむむ、これはちょっと危ないんじゃない?」

 そんな事を呟いていると、母親が下りてきた。

2009.6.22 up.
ぐだぐだなはじまり方ですいませんorz 一応きゅんきゅん小説目指してたり。
某小・中学生コミュニティサイトでこっそり書いていたのをこちらに移動でごじゃりまする。
完結はしていないので、連載予定です。

ちなみに最初の「……のこと」とかは、名前です。ここ書いちゃうとつまんないので隠しました←

BACK TOP NEXT